硬式テニスはラケットが重い方が有利?メリットと球の飛び方の違いを解説

硬式テニスラケットが重いことのメリットは?と考えたことはないだろうか。
結論を言えば、「自分が扱える範囲でできるだけ重いラケットを使う方が有利」だ。
では可能であればどれくらいまで重くするのがベストなのかというと、重くても370g(ガットを張った状態でグリップテープ等も含め)以上にするメリットは少ないだろう。
フェデラーが実際に使っているラケットは全部含めた重量が365g前後(±1g)らしい。
それくらいの重さのラケットがベストな理由は、ラケットとボールの物理的な重量差。
「テニスボールの物理的な重量」は変わらないため、ボールとラケットの重量のバランスが大事になってくるからだ。
「ラケットとボールの重量差」による飛び方の違い
ビリヤードの球vsビリヤードの球
ビリヤードの球に例えると分かりやすいかもしれない。
向こうからビリヤードの球が勢い良く転がってきて、それを同じビリヤードの球を使って跳ね返すにはこちらからそれ以上のスピード(力)でぶつけないといけない。
これが軽いラケットでテニスボールを打っている状態だ。向かってくる球に勢いがなければ問題ないけど、ある程度の勢いを超えてくるとこちらはそれ以上の力や勢いが必要になってくる。
ビリヤードの球vsボーリングの球
だけどこれならどうだろう。
ものすごい勢いでビリヤードの球が転がってきたところに、こちらからゆっくりとボーリングの球をぶつける。
ボーリングの球に勢いはなくてもびくともしない。そしてビリヤードの球は簡単に前方に跳ね返るはず。やったことないけど。
さすがにボーリング球とビリヤードの球は誇張した重量差比較だけど(大きさも違うし)、つまり「重量差がある状態=重いラケットでボールを打っている状態」ということだ。
重い方が有利?メリットとプロ選手の使用ラケット

そもそもテニスボール自体の重さは、種類による違いはあれど世界共通でプロも同じ球を使っている。
なのにプロは重たいラケットを使っていて、アメリカでは日本と違ってUSモデルとかいう重いバージョンが販売されてたりする。
欧米人と日本人では体格や筋力の違いもあるけど、ある程度のレベル以上でプレーするのであればラケットの重さは必要になってくる。
相手のボールの勢いが強くなってくると軽いラケットは「弾かれる感触」になってしまいコントロールできないようになってしまう。軽いラケットを使うにはナダルくらいムキムキになるしかない。(ナダルは市販のスペックのラケットをそのまま使っていたというのは有名な噂)
だけどナダル以外のプロテニスプレイヤーはそこまでムキムキじゃないことが多い。もちろんプロは誰しもしっかり筋トレしてるだろうけど、何が言いたいかと言うと「ほとんどのプロは市販のものより重い特別スペックのものを使っている」ということだ。
逆に言えば、相手の打球に勢いがないならラケットが軽くても問題ない。おじいちゃんやおばさん達が「当てて返すラリーを楽しむ」のであれば軽いラケットの方がいいだろう。必要以上の重量はただただ重たく感じるだけだから。
プロ選手の動画から学ぶ重いラケットでのスイング
自分のレベルや段階というものはあるけど、好きなプロのマネをするのが一番上達に繋がると思う。(自分に合った選手であることも大事。ガリガリ君はナダルのマネをしてはいけない。)
中でもフェデラーのスイングを参考にしている人は多いはず。けど使っているラケットの重さが違うとマネしても効果は薄い。ラケットの重量によるボールの飛び方が違うのだから、いくら完璧にスイングをコピーしてもイメージ通りには飛ばない。
特にプロがゆっくりとスイングしているときのボールの飛び方を見るとその違いをイメージしやすいかもしれない。
ゆっくりとスイングしてもしっかりとボールが飛ぶのは前述のラケットとボールの重量差が関係している。
あと動画を見るならスローモーションより通常スピードの動画を見るのがおすすめ。
なぜならスーパースローでフェデラーのフォアハンドスイングを見ると打球前に手首がグニャーっと後ろに曲がっている。だから「同じくらい手首曲げなきゃ!」と考えてしまうリスクがあるからだ。
あれは速いスイングの過程で自然とラケットが後ろに残っているのであって、意図して手首を後ろに曲げているわけではないはず。フェデラーに聞いたことはないけど。
とにかくたまにスローモーションで確認したい部分を見るのはいいだろうけど、マネをするのは通常スピードのフェデラーのスイングをマネするのが一番効率がいい。